ガススプリングは重い物を持ち上げたり、支えたりする動作の補助をする製品です。ガススプリングのシリンダー内に、加圧されたガスとオイルが封入されており、このガスのばね力(反力)を利用して、扉類などの開閉動作を補助しています。
●フリーピストン形の特長
360°全方向に取付可能です。
ピストンロッドの伸び速度を調整できます。オールガスタイプに比べ、ピストンロッドが伸びる速度が遅いため、快適なフィーリングを提供できます。
こんな場面に使われています!
リクライニングシート
大型冷蔵庫
●オールガス形の特長
ストローク長に対し、全長がコンパクトで、短いスペースへの取付にオススメです。ピストンロッドを下向きにして、±60°の範囲でご使用ください。
こんな場面に使われています!
モニタ昇降機
ゴミストッカー
小型・軽量でありながら、大きなばね力(反力)が得られるため、自動車のハッチバックや、重い扉の開閉など、日常生活のさまざまな場面で利用されています。
ガススプリングのばね力(反力)は長いストロークの中でもほぼ一定であるため伸びる時や縮む時によって軽くなったり重くなったりすることはなく、安定した操作感を得ることができます。
ガススプリングは、ガス・オイルの量や、寸法を工夫し圧力を調整することで、用途に応じた設計ができ、さまざまな場面に応用できます。また、ばね力(反力)と共に、オイルによる減衰力で扉類の開閉策度をコントロールします。
ガススプリングはコンパクトでありながら、強い反発力を発揮します。右図のとおり、ガススプリングのばね力(反力)は伸び実線と縮み実線が水平に保たれます。
これは、ガススプリングが伸び縮みする際に必要な力がほぼ一定であることを表しています。そのため、動作によって軽くなったり重くなったりすることなく安定した操作感を得ることができます。
P1=完全に伸びる10mm手前の反力
P2=縮み始めて10mmの時の反力
P3=伸び始めて10mmの時の反力
P4=完全に縮む10mm手前の反力
※ロッドを押し込む時に摩擦がおきるため、
伸び実線(P3→P1)より縮み実線(P2→P4)が高くなります。
ガススプリングは、ガス室の内圧変化や内部部品間の摩擦抵抗によって下図の反発力特性となります。
ガススプリングの選定に必要な【伸び方向の反発力(P1・P3)】【縮み方向の反発力(P2・P4)】はストロークが完全に伸長または圧縮した位置の10mm手前の値で、下記の計算式にて求められます。
Ft=最大長時のガス反力
Fc=最小長時のガス反力 とすると
ガススプリングの反発力は下記計算式にて求められます。
※縮み実線と伸び実線の差は、ロッドを押し込む時のフリクション(摩擦抵抗=f)によるものです。
扉の全閉位置が水平または垂直となる場合や、扉の開き方が①全閉まで自動で閉まる②全開まで自動で開く③全閉から途中までは人の力で開け、途中から全開までは自動で開く④全閉から途中までは自動で開き、途中から全開までは人の力で開けるなど、用途に合わせた選定が必要です。
ユーエイは用途に合わせて最適な製品をご提案します。
お気軽にお申し付けください。
主な取り付けタイプ
全閉まで自動で閉まる
全開まで自動で開く
全閉から途中までは人の力で開け、途中から全開までは自動で開く
全閉から途中までは自動で開き、途中から全開までは人の力で開ける
全閉まで自動で閉まる
全開まで自動で開く
全閉から途中までは人の力で開け、途中から全開までは自動で開く
全閉から途中までは自動で開き、途中から全開までは人の力で開ける
【垂直取付イメージ】
ストローク A=B―C
A:ガススプリングのストローク[mm]
B:ガススプリングのストローク最大長(伸長時の長さ)[mm]
C:ガススプリングのストローク最小長(圧縮時の長さ)[mm]
F1:必要反力(最大長時)[N]
Fg:扉(開閉物)の重心及び荷重[N]
g:重力加速度(=9.8)[m/s2]
L1:ヒンジ(支点)から重心までの水平距離[mm]
L2:ヒンジ(支点)からガススプリングの軸線までの垂直距離[mm]
m:扉(開閉物)の質量(重量)[kg]
n:ガススプリングの数
P:扉(開閉物)のヒンジ(支点)
R:ガススプリングの本体側の取付点
T:ガススプリングの扉側の取付点
S:安全率=1.1以上
扉のモーメント=重心×重量×開き角度(開度)
開き角度 例) 70°=Sin70=0.94
90°=Sin90=1上
選定上の注意